COACH特集

2011年4月14日木曜日

Ken Wright Cellers Tasting@三軒茶屋のみ山

最近ご無沙汰気味ののみ山さんで開催されました。
オレゴンワインメーカーKen Wright氏を囲んでのTasting Party。
ワインは下記の通り。
2008 Pinot Noir Canary Hill (AVA:Eola-Amity)
2008 Pinot Noir Carter (AVA:Eola-Amity)

オレゴンの州都Salemに近いAVAの葡萄を使ったもの。Oregon Coastからは離れていますが、海の冷たい風がここまで吹き抜けてくると聞いたことがあります。

オレゴンのピノ・ノワールは燻したようなスモーキーな感じとカリフォルニアに比べると果実味の甘みを感じさせず、どちらかと言えばフランス・ブルゴーニュに近いスタイルと言えます。

Canary HillはKen & Karen Wrightの自社畑。海抜135~165mにある8haの畑は114、777、Pommard(ポマール)クローンが植えられ625ケース(7,500本)のワインが造られました。本日のピノ・ノワールの中では一番タンニンも控えめでエレガントな印象。

CarterはJack & Kathleen Carter所有の畑。標高は97.5m。325haもありますが、そこから葡萄を別けて貰らい650ケース(7,800本)のワインを造っています。クローンは115、667、777、pommard、Wadenswill。

CarterはCanary Hillに比べ味わいにタンニンを感じます。香りもベリー系の香りがしています。



2008 Pinot Noir Savoya (AVA:Yamhill-Carlton)
2008 Pinot Noir Guadalupe (AVA:Yamhill-Carlton)

DundeeとKen Wright CellersのあるCarltonの間に広がるAVAでEola-Amityより北になります。

両者ともCarterに比べてもタンニンはありますが、果実味も豊かです。

Savoyaは酸味もあり、熟成が期待できるワイン。標高135mにある7ha弱の自社畑からわずか240ケース(2,880本)しか造られていません。クローンは、115、777。

Guadalupeがこの日の中では全体にバランスが取れていた印象。標高105mの他社畑の115、Wadenswillクローンから400ケース(4,800本)造られました。

前後しますが、未輸入の白が2種。このうちPinot Blancは2008年にCarltonのWine Bar The Horse Radishでティスティングしてその凝縮感に驚き、Pinot Noirを買い求めたきっかけになったワイン。その話をKenにしたら、あの建物は奥様の所有だとか。The Horse Radishにいた神奈川大学出身サービスマンのDavin McNealは今は他で仕事をしているとのこと。

2009 Pinot Blanc (未輸入)

相変わらずの凝縮されたPinot Blanc。トロピカルフルーツ、後口にハーブのニュアンス。

2009 Chardonnay (未輸入)


ワシントン州のCelilo Vineyard 73%とオレゴン州の南Del Rio VineyardのChardonnay 27%で造られたワイン。凝縮されたトロピカルフルーツ。樽からのバニラ。ミネラルも感じられます。

Ken Wright氏はUC DAVISを卒業後カリフォルニアのモントレーでブルゴーニュ品種のワイナリーで経験を積み、1994年にカールトンにKen Wright Cellersを設立しました。
Kenに「Oregonのワインの作柄は、WS誌での評価は07年が84点と08年97点と大きく開き、差があるが貴方のワインも07の出来は良くないのか?」と聞いたところ、「大丈夫だ。特殊な真空濃縮機を持ってるんだ。他のワイナリーにはないから、そこでは07は水っぽいワインになってるだろうね。」彼の説明によれば、真空濃縮機で果汁を華氏50度(摂氏10度)に沸騰させて水分を取り除く事が出来るそうだ。そうすれば果汁は傷まず、水分だけを取り除く事が出来るとのこと。自然派の人々はしかめっ面をしそうだが、なるほどと思いました。これを使うとジャムなども果実味たっぷりに仕上がるとか。ワインについての効果は'07のCanary Hillがセラーにあるのであと1~2年して飲んで見れば結果はわかるでしょう。

ただ、彼はPinot Noirは自然の賜物だ、奇跡だと言うことからもわかるように、極力手を加えないのが信条です。でも良いものは使うという合理主義も持ち合わせているのでしょう。彼のワインは全て合成コルクなのも面白いですね。天然コルクには5%程度のブショネのもとになるものがあること、空気が不必要に通り過ぎることも話していました。
人は慣れ親しんだ土地のワインを好きになると友人が話していました。カリフォルニアに比べれば狭くワイナリーも少ないウィラメット・ヴァレーに土地勘も出来、こうしてワインメーカーと知り合いが増えてくるとますますのめり込むかも知れませんね。

4種ともここに在庫があるようです。





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